【2021年】

(5月1日)
新型コロナウイルス感染の収束が見えない中、夏の東京五輪・パラリンピックをめぐり、立憲民主党など野党内で中止や
延期に言及する幹部が相次いでいる。
政府は開催する姿勢を崩していないが、5月11日が期限の緊急事態宣言が延長されるなど状況に改善が見られなければ、
一段と声が強まることも予想される。
立憲の泉健太政調会長は28日の党会合で「国民の生活・命を守るため、断念も含めて真摯(しんし)に検討すべきだ」と
強調した。
同党はこれまで五輪開催の是非について明確な発言を控えていたが、コロナ感染の「第4波」突入を受け、踏みこんだ。
共産党の志位和夫委員長も22日の記者会見で、「緊急事態宣言を発令しながらあくまで開き続ける姿勢に立つと、正しい
政策判断もできなくなる。中止の決断を直ちに行うことを重ねて、重ねて求めたい」と訴えた。
野党からこうした声が上がるのは、7月23日に迫った五輪開幕を前に、なお感染封じ込めに至らない政府へのいら立ちが
ある。
東京五輪・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長も政府と足並みをそろえつつ、28日に無観客開催の可能性に言及。
ただ、当初900億円を見込んでいたチケット収入がなくなれば、さらなる国民負担につながりかねない。国民民主党の
玉木雄一郎代表は開催延期も検討すべきだと語る。
緊急事態宣言の期限直前の5月10日に、菅義偉首相出席の下、衆参両院で予算委員会の集中審議が実施される。
野党側は立憲の枝野幸男代表らが質問に立つ予定で、五輪についても厳しく追及する構えだ。
一方、与野党には、「都民ファーストの会」を率いる東京都の小池百合子知事が今夏の開催断念を、7月4日投開票の
都議選公約として打ち出すとの臆測も流れており、動きを注視している。

(5月2日)
東京都議選(7月4日投開票、定数127)の投開票まで約2カ月となり、各党は準備を加速させている。
都議会第1党の座をめぐり、小池百合子知事の下で前回躍進した地域政党「都民ファーストの会」が維持するか、4年前に
大敗した自民党が奪還するかが焦点だ。また、自民、公明両党で過半数に達すれば、小池知事の都政運営にも影響を与え
そうだ。
各党の公認候補は1日現在で都民ファ45人(現有議席46)、自民59人(同25)、公明23人(同23)、共産党29人(同
18)、立憲民主党27人(同7)など。このほか、日本維新の会や国民民主党、れいわ新選組も擁立。無所属を含めて200人
超が出馬を予定しており、さらに増える見通しだ。
都民ファは「前回並みの50人規模の候補者を擁立する」(幹部)方針で最終調整している。
ただ、「党運営が不透明」などの理由で離党者が相次いだ上、4年前に選挙協力した公明との関係が悪化。
選挙実績が少ない1回生が多いことも不安材料だ。
自民は前回60人を擁立したが、「小池旋風」のあおりを受けて過去最低の23人の当選にとどまった。その後、都民ファと
組んだ公明と関係を改善し、選挙協力を復活。自公で再連携し、議席奪還を目指す。公明も8回連続の全員当選を確実に
したい考えだ。
共産と立憲は共倒れを防ぐため、1、2人区で候補者調整を進めているほか、維新も独自候補として9人を擁立。
現在議席を持たない国民やれいわも、議席獲得に向け準備している。
都議選はこれまで、その後の国政選挙の前哨戦に位置付けられてきた。今回、衆院選の前に行われた場合、選挙結果は
菅義偉首相の解散戦略に影響を与えそうだ。

(5月3日)
与野党は3日の憲法記念日にあわせ、声明や談話を発表した。改憲に前向きな勢力は、3年近く継続審議となっている
国民投票法改正案の早期成立を訴えた。
自民党は、立憲民主党との間で、国民投票法改正案について今国会で「結論を得る」と合意したと指摘。「野党からも
積極的な意見が出され、憲法改正実現に向けた歩みは、与野党を越えて着実に前進している」とした上で、「国会の場
で活発な憲法議論を行う」と強調した。
公明党も、国民投票法改正案の「早期成立に努める」と明記した。日本維新の会は「国会における憲法議論を遅らせる
ことは、国民の権利を奪うことになる」と改憲論議に慎重な勢力を批判した。
国民民主党は「現行憲法の足らざる点を補強することが求められている」とし、国民との対話を通じた議論を促した。
一方、立民は政府の新型コロナウイルス対応に触れ、「感染拡大防止のため真に必要な権限は、現行憲法下でも認め
られている。政府が的外れな対策しかできなかったのは、小手先の施策に終始してきたからだ」と主張した。改憲の是非
は明確にしなかった。
共産党は「コロナ危機に乗じた国民投票法の『改正』強行に断固反対する」と強調した。

(5月4日)
新型コロナウイルス下の大型連休で、宮城県内の次期衆院選の立候補予定者が活動に苦慮している。
平常時なら有権者に顔を売る絶好の機会だが、不要不急の外出や移動の自粛が求められ、祭りやイベントの中止が相次ぐ。
予定者たちは車を活用したり、街頭活動を短時間に抑えたりして「新様式」を模索する。
「まん延防止等重点措置」の対象地域となっている仙台市。衆院選では、東北有数の有権者数を擁する宮城1、2区を
抱える。
1区の自民党現職の土井亨氏は党県連の広報車を使用し、車中から政策などをアピール。集会は数人規模でも自粛する。
緊急事態宣言が発令されている東京都と仙台を往来する事情もあり、「感染防止に相当気を使っている」(事務所担当者)
という。
2017年の前回1区で土井氏に敗れ、比例復活した立憲民主党現職の岡本章子氏。党の街宣車に乗りつつスーパーの
そばなどで単独で演説をこなすが、人が集まり過ぎないよう短時間にとどめる。感染対策を徹底した上で「自分から街に
出て行き、地道に活動していきたい」と話す。
2区は前回1316票差の一騎打ちを繰り広げた2人が、再戦に向けて静かに準備を進める。
自民現職の秋葉賢也氏は現時点で小集会やつじ立ちを予定していない。支持者回りをする際には、マスク着用やアルコール
消毒といった対策を講じる。事務所関係者は「重点措置解除後に、具体的な活動も見通せるようになるのではないか」と
展望する。
立民元議員の鎌田さゆり氏はつじ立ちをせず、会員制交流サイト(SNS)の活用に力を入れる。
ライフワークの不登校児童・生徒の支援では親とSNSでやりとりし、必要に応じて対面で相談に乗る。
「人と会って話すことは大事にしたい」と強調する。
比例東北の立候補予定者もコロナ下での活動方法を探る。共産党新人の舩山由美氏はメーデーの1日、JR仙台駅で声を
出さずに労働環境の改善を求める取り組みに参画。公明党新人の庄子賢一氏は、抗原検査の簡易キットを持参しながら、
仙台のほか青森、秋田両県の支持者を巡る予定だ。

(5月5日)
自民党の二階俊博、公明党の石井啓一両幹事長は5日、東京都内で会談し、憲法改正手続きに関する国民投票法改正案に
ついて、立憲民主党から提示された修正案を受け入れる方針を確認した。8国会にわたって継続審議となっていた改正案
は6日の衆院憲法審査会で修正、可決された上で、衆院を通過し、今国会で成立する見通しとなった。
会談には、自民の森山裕国対委員長らも同席。森山氏は会談後、昨年12月に二階氏と立民の福山哲郎幹事長が今国会で
改正案に関する「何らかの結論を得る」と合意していることを踏まえ、「与野党として国民に約束をしており、一定の
結論を出せるようにするということだ」と記者団に述べた。また、森山氏は同日、与党側の考えを立民の安住淳国対委員長
にも伝えた。

(5月6日)
憲法改正の手続きを定める国民投票法改正案について、自民党の二階俊博、立憲民主党の福山哲郎の両幹事長が6日、国会内
で会談し、今国会で成立させることで合意した。立憲がCM規制に関する措置を行うよう求め、自民が受け入れた。改正案は
同日の衆院憲法審査会で賛成多数で可決された。
改正案は、安倍政権下の2018年6月に提出された。一般の選挙ではすでに導入されている、大型商業施設への共通投票所の
設置など7項目が盛り込まれている。立憲などは改憲に向けた環境が進む改正案に慎重姿勢を崩さず、8国会にわたって継続
審議となっていた。
安倍政権が終わり、野党共闘をめざす国民民主党も採決に傾くなか、立憲は4月末、資金力のある団体が有利になることを
防ぐテレビやラジオCMの規制のあり方などについて「施行後3年を目途に必要な法制上の措置その他の措置を講ずる」とする
付則を加えた修正案を与党側に提示。今国会の成立をめざしていた与党側が修正案をそのまま受け入れた。

(5月7日)
立憲民主党など野党は秋までに行われる次期衆院選で共闘し、政権交代を目指す考えだ。ただ、枠組みをめぐる各党の思惑
が交錯し、共闘の具体像は見えていない。共闘に向けた協議は今後、立民が共産との関係をどう位置づけるかが焦点となる。
■党首会談が赤旗1面に
「総選挙にむけた協力のための協議開始で一致」
共産の機関紙「しんぶん赤旗」は4月28日付1面トップでこんな大見出しの記事を掲載し、志位和夫委員長と立民の枝野
幸男代表の前日の党首会談の写真を添えた。
共産は次期衆院選で政権交代し、共産を含む「野党連合政権」の樹立を目指す。このため野党第一党である立民にこの政権
構想への合意を求めてきた。志位氏は6日の記者会見で、集団的自衛権の限定行使を可能にする安全保障関連法の廃止が
政権の「土台」だとし、「それが一致できれば私たちは政権で協力していきたい」と意欲を示した。
立民も、次期衆院選で「自公政権を倒して立民を中心とする新しい政権をつくる」(枝野氏)のが目標。ゆえに共産と
候補者が競合している衆院67選挙区で立民候補への一本化を可能な限り進め、共産支持者の票も取り込みたい考えだ。
共産はそんな立民の思惑を読み取り、共通政策づくりや政権協力での合意を半ば選挙協力の条件として突きつけ、揺さぶり
をかける。会談で志位氏は枝野氏に「共通政策、政権の在り方、選挙協力、3つの分野で協議を行っていきたい」と求めた。
ただ、枝野氏は「政策の一致している部分がどこにあるのか、きちんと話していかねばならない」と述べるにとどめた。
■国民は共産に距離
志位、枝野両氏の党首会談の記事を赤旗が大きく報じた4月28日、国民民主党の玉木雄一郎代表は記者会見で、野党の
政権構想に関し「共産が入る政権であれば、われわれは入れない」と表明した。日米同盟を安全保障政策の基軸とする
国民は、綱領で日米安保条約の廃棄を掲げる共産とは相いれず、国民と立民の支持母体である連合も共産を含む政権を
全否定しているからだ。
玉木氏も4月27日に枝野氏と党首会談し、衆院選挙区候補の原則一本化や、連合と両党が政策協定を結ぶことで一致。
その上で枝野氏に「連立政権となった場合、共産が入っているのかどうか。どこかの段階で明確に示してもらいたい」と
求めていた。
枝野氏は共産が求める政権構想での合意に関し否定も肯定もしていない。衆院選で連合の反発や保守層離れを招かぬよう
共産と一定の距離を取りつつ、候補者調整などで協力を得るため共産とも丁寧に協議を進めるとみられる。
ただ、こうした立民の「二股作戦」で衆院選に突入できるかは不透明だ。玉木氏は4月28日の記者会見で、政権構想と
共産との関係の明示を改めて求め、こう断言した。
「野党第一党である(立民の)枝野代表にそこは示していただかないと、選挙協力も政策の調整もできない」

(5月8日)
立憲民主党の小沢一郎衆院議員(78)が8日、事務所公式ツイッターを更新。菅義偉首相が7日に行った会見を酷評した
菅首相の会見内容を伝えるニュースを引用した小沢氏は「世界でも底辺レベルの記者会見」と厳しくダメ出し。「『結果は
出せてる、でも延長はする、引き続きしっかりやりたい』だけ。具体策が示されず、意気込みだけが一方的に語られ、質問
と回答はかみ合わない」と論評した。
続けて、「だが、再質問は禁止され、記者達は抗議すらしない。何でこんな国になったのか、国民一人ひとりが考えないと
いけない」と訴えた。
このツイートには「早く政権交代を実現しないと」「曖昧な説明で本当に対策ができるのか」など意見が寄せられていた。

(5月9日)
立憲民主党の枝野幸男代表は9日、インターネットでの動画配信で、「(緊急事態宣言が出ても)多くの皆さんに従って
いただけない、効果が出ないという状況になれば、ちゅうちょなく強制的な外出制限の措置を執行することは、当然
やらなければならない」との考えを示した。
枝野氏は「必要があれば、我々が野党の段階でも、かなり強い外出制限について、相談に応じて賛成する余地は十分ある」
と述べた。災害時に市町村長が移動制限などを指示できる災害対策基本法を挙げ、「(同法を使えば)かなり強い外出制限
が可能ではないか」との見方も示した。 一方、「まずは徹底して感染を抑える(ことが大事だ)」とも強調。外出制限の
議論をする前に、営業自粛の店舗などへの十分な補償などを検討するのが先だとの考えも示した。