

【2023年】
(10月1日)
自民党の高橋はるみ女性局長は1日のNHK番組で、先の内閣改造で副大臣と政務官への女性議員の起用がゼロだったことに
関し「適材適所の結果だ」と述べた。立憲民主党の辻元清美・元副代表は「世界でゼロは恥ずかしい」と批判。女性議員数
を増やすことが重要だとして議席の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」導入を訴えた。
高橋氏は、自民が党所属の女性国会議員の割合を今後10年で30%に引き上げる目標を掲げていると強調。党幹事長室の
役員は女性が30%を占めていると紹介した。
辻元氏は「女性も参画をした方がバランスの取れた議会になり、良い政治ができる。クオータ制を導入した方がいい」と
語った。
(10月2日)
■立憲民主党・泉健太代表(発言録)
首相が衆院解散をもてあそんでいる。本来、もっと早くやるべき補正予算(の編成)の指示がなかった。場合によっては、
補正がなくても解散をするんじゃないかとも言われてきた。そして、指示を出したけれども、どうも時期はだいぶずれ
込むんじゃないかと(言われている)。11月選挙、12月選挙にするのか、それとも解散を早めにやってその後に補正と
いうことになるのか、まだ予断を許さない状況ではないか。解散を受けて立つ我々としては、あらゆる事態に備えて、場合
によっては10月の解散もまだあり得ると頭の片隅に置きながら、11月が最も線としては今太くなっているが、ここまで
解散を出したり引っ込めたりする首相なので何があるかわからないと思っている。
(訪問先の徳島県美馬市で記者団に)
(10月3日)
立憲民主党の岡田克也幹事長(70)が3日、国会内での定例会見で、解散総選挙について「11月解散、12月投票と
いうことになるのかな」と話し、20日召集の臨時国会で2023年度補正予算案成立後に衆院が解散し、年内に総選挙が
あるとの見通しを示した。
岡田氏は、岸田文雄首相(66)が臨時国会に補正予算案を提出する方針を示したことに「(岸田首相が)補正予算を
出さないで、10月解散11月投票と思っておりました。100%ではありませんが、補正を出した以上は、審議して採決
しないと廃案になってしまいます。そういう意味では補正が成立して、そこで解散ということになる可能性が高い」と予測
した。
解散の大義が問われるとした岡田氏は「総理自身がお決めになること。多額の予算を使う解散総選挙になる。何のために
解散するのかということを明確にすることは求めておきたい」と強調。「単にこの時期が自分たちに有利であるとか、総裁
選にとって有利だとか、情けない理由で解散することはありえないことだということは申し上げておきたい」と、岸田首相
をけん制した。
4日で発足2年を迎える岸田政権への評価を問われ「何がやりたいかよくわからない政権だと言われますが、それはその
通り。もうひとつは、肝心なことをはっきり言わずに先送りする政権だと思う」と辛辣だった。
(10月4日)
立憲民主党の米山隆一衆院議員(56)が4日に自身のツイッターを更新。ジャニーズ事務所が2日に行った、故ジャニー
喜多川元社長による性加害問題を巡っての今後の会社運営についての会見において、質問の指名をしないようにする
「NGリスト」があったという報道について「これは会社側の酷い対応を示す新事実」とつづった。
また、「『正直に見て貰う最善の方策は正直である事』『真摯に見て貰う最善の方策は真摯である事』であり、意図的に
正直・真摯である事を放棄した事が明らかになったら、会社は今後殆どの言葉を信じて貰えなくなります。元より私は会社
のやり方を肯定するものではなく、これによって記者会見に対する私の意見は変わりませんが、会社の再出発は今後極めて
厳しくなったと思います」と私見をつづった。NHKは4日、午後7時からの「ニュース7」で、【独自取材】としてトップ
ニュースで報じたのが『会見に指名のNGリスト』だった。話題は、ジャニーズ事務所が2日に行った、故ジャニー喜多川
元社長による性加害問題を巡り、今後の会社運営についての会見でのこと。事務所から会見の運営を任されていた会社側が
複数の記者やフリージャーナリストの名前や写真を載せ、質問の指名をしないようにする「NGリスト」を会場に持参して
いたことが分かった、というものだった。
リストに掲載されていた記者が全員指名されなかったか、は不明だが、実際に挙手し続けながらも、指名されなかった記者
は会見では存在した。また、会場入りした関係者の手元には「NG記者」と書かれた紙や、少なくとも6人の名前と顔写真
が掲載されていたと報じた。会見は1社1問のルールで、司会者が挙手した記者を指名する形式で行われた。会見の運営を
任されていたコンサルティング会社が、会場にNGリストを持参していた、という。
指名されない記者からは不満があがり、会見場は騒然とする一幕もあった。会見には300人近い報道陣が出席していた。
(10月5日)
■立憲民主党・泉健太代表(発言録)
(立憲民主党の中堅・若手国会議員らでつくる「直諫(ちょっかん)の会」が)本を出すということで(9月に)記者会見
をした。これがちょっと話題になった。
(会代表の重徳和彦衆院議員が)「(会から党)代表を出す」という発言があったものだから、なにか私を「おろす」の
ではないかという話が一部あるが、そこは重徳さんとしっかり連携ができている。大丈夫だ。彼らは党内でガタガタやる
なんていうことはしない。その潔さ、爽やかさ、誠実さを持っている集団ではないか。その上で高い志、政策を持っている
集団だ。その(共著の)中には、「立憲民主党を根本からたたきなおす」(と書いてある)。ちょっとたたかれたような
感じもするけれども、非常にいい言葉だと思う。世代交代。私は今、(岡田克也)幹事長や(安住淳)国会対策委員長と
仕事をしているので、あまり言い過ぎると、ちょっとドキドキするけれども、やっぱり先輩たちの姿を見るからこそ、また
世代交代を訴えようという気概のある若者が出てくる。(出版記念パーティーで)
(10月6日)
立憲民主党の安住淳国対委員長は6日、細田博之衆院議長が体調不良を理由に議長を辞任するとしながら、次期衆院選に
立候補する意向を示したことを「つじつまが合わない」と批判した。自民党の高木毅国対委員長との会談で指摘した。
高木氏は、臨時国会の20日召集とともに、細田氏が13日に進退に関して記者会見すると伝達。安住氏は「選挙には出る
けど体調が悪いから議長を辞めるというのは前代未聞だ。細田氏の話によっては、国会がどういうスタートになるか分から
ない」とけん制した。
(10月7日)
■二大政党的な政治
立憲民主党・泉健太代表
政府が想定する以上の物価高が襲ってきて、実質賃金が下がり続けている。政府には、今の取り組みに満足せず、より一段
の取り組みをしてもらわなければいけない。その取り組みが弱いのであれば、われわれが政府の尻をたたく。連合が目指す
「二大政党的」な緊張感のある政治を作り出していかなければならない。
(5日の連合定期大会、賃上げや経済対策を巡り)
■先送りにする政権
立憲民主党・岡田克也幹事長
「何がやりたいかよく分からない政権だ」といわれるが、その通りだと思う。もう一つ言わせてもらうと、肝心なことを
はっきり言わず、先送りにする政権だ。
(3日の記者会見、岸田文雄政権への評価について)
(10月8日)
立憲民主党の小川淳也税調会長は8日、フジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演し、岸田文雄首相が「減税」を
掲げて衆院解散・総選挙に踏み切ろうとしているのではないかとの臆測に関し「日本の政治の劣化の象徴だ」と批判した。
「亡くなられた安倍(晋三)さんの残された、1つの負の遺産」とも指摘した。
自民党の森山裕総務会長が今月1日、政府が10月にとりまとめる経済対策で「減税」が検討されていることを念頭に「税に
関することは国民の審判を仰がなければならない」として、減税が解散の大義になり得るとの認識をにじませた。
小川氏はこの発言が紹介されると、安倍氏が2014年に、2015年10月からの消費税再増税の1年半延期などを打ち出し、
国民の信を問うとして衆院解散を表明したことに触れ「あの時、国民の多く、我々を含めて『何でこんなことで解散しない
といけないの』と、これこそ人気取りだという議論が相当あった。それに慣らされちゃっている」と指摘。「私は森山先生
を尊敬していますけれど、森山先生ほどの方でも、こういうことを平気で言うような時代になっている」と批判した。
その上で「議会政治では、国民負担に納得頂くために議会が存在し、そこで合意を得られるものを実行に移す。100歩
譲って、減税して、これこれの給付を切り下げてこれで国の財政を正常に運営していきたいからどうだ、というならまだ
しも、減税して、給付して、その分、赤字国債を積み増しますから信を問います、ではお話にならない」「日本政治の劣化
の象徴が、この『減税で解散して信を問う』ということ。みんな透けて見えている。こんなもの、人気取り以上の何物でも
ない」と批判した。
岸田政権で減税論が浮上していることについても「唐突感があると受け止めている。年がら年中、解散風を吹かせている方
ですから、選挙目当ての人気取りという色彩が色濃いんじゃないか」と、推測。「租税政策ですから筋が大事。体系や目的
ですよね。何のためなのか、そのあたりが(現状は)不透明だ」とした上で「一般論では、減税政策は基本的に富裕層に
有利。物価高騰に苦しんでいるのはむしろ中・低所得者なんですから。かつての定率減税は完全に(所得が)高い人に
有利。かつて定額減税もやりましたが、それすらも所得を納められている人しか恩恵がない。所得税を納められない方々も
たくさんいらっしゃる」とかつての減税政策を振り返り「何のためなのか、それでどうするのか。議論を筋道立ててやって
いただきたい」と、岸田首相にくぎをさした。
(10月9日)
立憲民主党の蓮舫参院議員が9日までにX(旧ツイッター)を更新。ラグビーW杯フランス大会1時リーグD組で、日本代表
が決勝トーナメント進出を逃したアルゼンチン戦をめぐり、「泣く」とラグビーボールのマークをポスト。「真っ直ぐに。
逃げずに。前に前に。」とつづった。
試合後には「NO SIDE とても素晴らしい試合でした。ハラハラしてドキドキして。そして強さに惹かれて」と、日本
代表の選手たちをたたえた。
蓮舫氏はこれまでも、ラグビー日本代表を応援してきた。長男で俳優の村田琳は小学校のころからのラグビー経験を
明かしており、2019年のドラマ「ノーサイド・ゲーム」にも出演していた。
(10月10日)
立憲民主党の岡田克也幹事長は10日の記者会見で、埼玉県議会の自民党県議団が取り下げを発表した虐待禁止条例の改正
案を批判した。「非常に論外だ。なぜこんなものが出てきたのか首をかしげる。自民には、もう少し常識に沿った議論を
期待したい」と述べた。「自民の根強い考えが反映されている」とも指摘した。改正案取り下げ自体は評価した。
国民民主党の玉木雄一郎代表も会見で「さまざまな家庭事情がある。共働きの父母などで可能なのか問題だ」と語った。
自民党の世耕弘成参院幹事長は「政策前進には、女性も含めて社会参画を果たす必要性と、子どもの安心安全を保つバラ
ンスを取ることが重要だ」と述べた。
(10月11日)
立憲民主党の小沢一郎衆院議員が11日、X(旧ツイッター)を更新。少子化対策財源に消費税増税を自民党に求めた
経団連に対して苦言を呈した。
経団連は10日に発表した「政治献金の判断基準となる政策評価」で自民・公明両党による与党の政策を10年連続で
「高く評価できる」とし、少子化対策の財源については消費税増税の検討を同党に求めた。
小沢氏は、経団連の十倉雅和会長に対して「この人物は何もわかっていない」と切り出し、「家計をさらに追い込めば、
国内市場の衰退を通じて企業もまた追い込まれる。これ以上内部留保を貯めて、どうするつもりか。企業は企業の本分を
わきまえるべき」と、家計のやりくりに苦しむ庶民感覚の欠如を指摘した。
この投稿のリプ欄には「経団連は、日々の買い物するたびに1000円、2000円高くなることの重圧感など、想像すら
できないのでしょうか」「消費税増税で法人税を減らす事を企んでいるのですね」「誰も子供なんて作らなくなります」と
いった意見が投稿された。
(10月12日)
政府が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の解散命令を請求すると決定したことに対し、野党は「遅過ぎるが被害者救済
につながると前向きに捉えたい」(立憲民主党の泉健太代表)と一定の評価をした。教団との関係について自民党に説明を
求める声も相次いだ。
旧統一教会を巡っては、故安倍晋三元首相や細田博之衆院議長など自民党議員との関係の深さが明らかになった。泉氏は
国会内で記者団に「解散命令請求をしたから(自民と教団に)距離ができたということにはならない」と強調。「細田氏を
皮切りに一人一人が明確に関係性をはっきりさせるべきだ」と述べ、説明責任を果たすよう求めた。
共産党の小池晃書記局長も記者会見で「過去にさかのぼり、全面的に統一教会との癒着の全体像を解明する責任が自民党
にはある」と訴えた。
日本維新の会の馬場伸幸代表は「被害は悪質かつ重大なもので(解散請求は)妥当だ」と指摘。国民民主党の玉木雄一郎
代表も記者団に「被害者救済に向けた意味ある一歩になることを期待したい」と語った。
教団との関係を指摘された自民党の萩生田光一政調会長は「党のガバナンスコード(統治指針)に従い、関係を絶ち、適切
な政治活動を心掛けている」とのコメントを出した。
宗教団体の創価学会を支持母体とする公明党は「裁判所の判断を見守りたい」と談話を発表した。
(10月13日)
与党は13日の衆院議院運営委員会理事会で、20日召集の臨時国会で同日中に岸田首相の所信表明演説を行いたいと提案
した。野党は、召集日に所信表明演説を行えば質疑がないまま衆院長崎4区、参院徳島・高知の両補欠選挙の22日投開票
となるため「首相だけがアピールする党利党略の日程だ」とし拒否した。
統一補選期間中の国会召集は02年以来21年ぶり。所信表明演説に対して与野党が衆参両院の本会議で行う代表質問も実施
せず投開票日を迎えるのは異例だ。立憲民主党の安住国対委員長は13日、自民党の高木国対委員長と会談し、細田衆院
議長の後任を決めるのが優先だとして、20日の首相演説に応じられないと伝えた。
(10月14日)
岸田文雄首相(自民党総裁)は14日、高知市を訪れ、22日投開票の参院徳島・高知選挙区補欠選挙に向けて住民との対話
集会に出席した。今回の補選での首相の応援は初めて。首相は人口減少に触れて「地方の活力維持のためにも取り組みを
進める」と述べ、自身が掲げる「異次元の少子化対策」をアピールした。
一方、立憲民主党の岡田克也幹事長は14日、徳島県勝浦町で街頭演説。物価高対策などを盛り込む2023年度補正予算案の
国会提出時期が明らかになっていないと指摘し、「一体何をやっているのか。本当に国民の痛みを分かっていれば、こんな
に悠長ではないはずだ」と首相の対応を批判した。
(10月15日)
■立憲民主党・辻元清美参院議員(発言録)
岸田政権、皆さん、どうですか。(旧)統一教会(世界平和統一家庭連合)の問題で、(政府は東京地方)裁判所に解散
(命令)請求を出した。これで終わりじゃないでしょう。自民党の地方議員も含めて、(旧)統一教会とつながりがあった
人、あれからどうなったんですか。(旧統一教会との関係が指摘されてきた衆院の)細田(博之)議長、辞める記者会見
で、「いや、私は知らず、存ぜず」。これで議会が成り立つのか。おかしいと思いませんか。
どんどん物価が上がっていく。生活が苦しい一方で、倍くらいの予算にどんどん膨らんでいく(大阪・関西)万博にうつつ
を抜かしているような岸田政権には、怒らんかったらあかんと思いますよ。そして、岸田政権ね、副大臣や政務官が全員
男性だった。女性の応援をすると言いながら、格好付けだけじゃないですか。政治のありようそのものをごそっと変えない
と。(参院徳島・高知選挙区補欠選挙での野党系無所属候補の応援演説で)
(10月16日)
自民党と立憲民主党は20日からの臨時国会の会期を12月13日までの55日間とすることで合意した。
立憲民主党 安住国対委員長:「会期末は12月の13日。これ決まり。与党からそういうことがあったんで私は了と
しました」岸田総理大臣の所信表明演説については、与党は召集日の20日に行うことを提案していましたが、野党側が
細田衆議院議長の辞任に伴って、新たな衆議院議長が選出されることなどを理由に反発し、翌週の23日に行うことで合意
した。24日以降は各党の代表質問が始まる。一連の日程について立憲民主党の安住国対委員長は、細田議長の後任が
いまだに発表されていないことや臨時国会の会期が召集日の直前まで決まらなかったことなどを理由に、政府が「ちょっと
待ってくれ」とばかり言っている。「ちょっと待ってくれ政権」だと皮肉りました。
(10月17日)
立憲民主党は17日、次期衆院選に向けた新ポスターを発表した。
語り掛ける泉健太代表の姿に「人へ 未来へ まっとうな政治へ」とのキャッチコピーを添え、人への投資や政権監視機能
の強化を重視する姿勢を打ち出した。
「まっとうな政治」は安倍、菅両政権との対決色を強めた枝野幸男前代表の時代によく用いられた標語。党所属の地方議員
らへのアンケートで最も人気があったという。岡田克也幹事長は記者会見で「今の政治はまっとうではない」と岸田政権の
姿勢を批判した。
(10月18日)
岸田文雄首相が23日の臨時国会で行う所信表明で減税を念頭とした総合経済対策の検討を与党税制調査会に指示する方針
を表明するとされる中、立憲民主党は18日、総額7・6兆円の緊急経済対策を発表した。
泉健太代表は「規模ありきの財政出動はさらなる物価高騰を助長しかねない」として、即効性を重視した中間層を含む全
世帯の6割を対象に3万円の「インフレ手当」を給付、ガソリン税を一部軽減する「トリガー条項」の発動、低所得層の
子育て世帯に子ども1人当たり5万円を給付するなどを提言した。
日本維新の会の馬場伸幸代表は減税や減免について「4通りしかない」と現金給付、消費税減税、所得税減税、社会保険料
の減免をあげた。「それぞれメリット、デメリットがある。どう組み合わせていくのかが、最大のポイント」とした。
(10月19日)
立憲民主党の長妻昭政調会長は19日の記者会見で、自民党の杉田水脈衆院議員が在日コリアン女性らへの差別的な投稿を
して大阪法務局から「人権侵犯」の認定を受けたことについて、「現職の国会議員が当局から認定されるということは前例
は知らない」と述べた。長妻氏は「本来は党なりが、記者会見などをするように働きかけるとか、一定期間は役職について
何らかの対応をするとか、そういうことが普通あるのではないか。そこが非常に不可思議だ」と語り、自民の対応について
も批判した。
(10月20日)
「選挙目当てだ」「スピード感がない」。立憲民主党など主要野党は20日、岸田文雄首相が税収増を国民に還元する
ため、期限付きの所得税減税を検討する方針を示したことへの違和感を表明した。臨時国会では経済対策が大きな争点と
なるため、政府・与党側に議論の主導権を握らせない狙いも透けてみえる。「減税によってどういう方々を救いたいのか」
というメッセージが全く伝わらないまま、言葉だけが躍っている。こういう姿勢は不誠実だ」
立民の泉健太代表は20日、党本部で記者団に、首相が打ち出した所得税減税方針は与野党が対決する衆院長崎4区と参院
徳島・高知選挙区の2つの補欠選挙(22日投開票)を意識したものだと糾弾した。また、立民の経済対策で掲げる全世帯
の6割を対象にした3万円の「インフレ手当」の方が効果的だとアピールした。
日本維新の会の音喜多駿政調会長は記者会見で、所得税減税方針に関して「一定、是とする」としつつ、「年末に検討を
始めて実行するというのは明らかに遅すぎる」と語った。社会保険料の減免などで可処分所得を上げることを優先すべきだ
とも述べた。 共産党の志位和夫委員長は「期限付き」を問題視。国会内で記者団に「国民の暮らしを守る上では『焼け石
に水』と言わなければならない。所得の少ない方には恩恵が全くないか、少ないものになってしまう」と指摘し、消費税を
5%に下げるべきだなどと訴えた。 国民民主党の玉木雄一郎代表も党会合で、「期限付き」に懸念を表明した。
「『近いうちにやめますよ』と言って減税をしても多くは貯蓄に回ってしまう。本格的な減税をやらないと意味がない」と
主張。電気料金やガソリン代の値下げが必要だと強調した。 立民重鎮は「所得減税を行うにしても国民が実感するのは
来年以降だ」と述べ、首相が繰り出した〝秘策〟の影響は限定的だとの見方を示した。
(10月21日)
立憲民主党の菅直人元首相(77=東京18区)が次期衆院選に出馬しない意向を固めたことが21日、複数の政界関係者への
取材で分かった。同党の泉健太代表は同日、自身のX(旧ツイッター)を更新。世代交代を念頭に置いた不出馬意向を
報じた記事を引用しながら「今朝、元首相と話しました。溌剌とした声で、『かねてから世代交代を言っていた。若い世代
に期待している』との言葉。次世代の皆さん、日本の未来のため、ともに頑張りましょう!」とつづり、電話で菅氏の
不出馬意向を確認したことを明かした。
菅氏は、市民運動や故市川房枝さんの活動を支えるなどした後、1980年衆院選で初当選。これまでに当選14回。旧民主党
政権で第94代内閣総理大臣を務めたほか、初代の民主党代表なども歴任した。自社さきがけ政権の厚相時代には、当時
大きな問題になっていた薬害エイズ問題をめぐり、厚生省(当時)の責任を認めて謝罪した。首相時代の2011年3月11日
に東日本大震災、東京電力福島第1原発事故が発生し、当時の対応をめぐっては賛否が起きた。
最近は、小泉純一郎元首相とともに「原発ゼロ」の活動に力を入れていた。野党のベテランの代表格でもあり、今後も発信
などの活動は続けるとみられる。
(10月22日)
岸田文雄首相が所得税の減税を含めた国民への還元策の検討を与党に指示したことを受け、立憲民主党の岡田克也幹事長は
22日のNHK番組で「今日は(衆参2)補選の投票日だ。その前の金曜日(20日)に所得減税を首相は突然言い出した。
あまりにも、あざとい」と首相を批判した上で「この減税は悪手だ。選挙目当てじゃないか。給付の方が早いし、高額所得
者にまで減税する必要はどこにもない」と強調した。
日本維新の会の藤田文武幹事長は「補正予算は緊急性かつ必要性があるものに絞らないといけない。今これから行われよう
としている大型補正予算は多くのバラマキ、言ってみれば選挙対策のように見られる。そうならないように議論していき
たい」と述べた。
(10月23日)
立憲民主党の泉代表と共産党の志位委員長は23日、国会内で会談し、次期衆院選について、両党が連携することで合意
した。今後、連携のあり方を巡って協議を進める。
(10月24日)
立憲民主党の岡田克也幹事長は24日の記者会見で、年内の衆院解散・総選挙の可能性が「かなり高い」と述べた。
防衛費増額や少子化対策の財源確保に関する議論が今後本格化することに触れ、「(岸田文雄首相には)その前に解散して
しまおうというインセンティブ(動機)がある。国民に説明を避けるための解散だ」と指摘した。
(10月25日)
共産党の志位和夫委員長は25日の記者会見で、立憲民主党の泉健太代表と次期衆院選を「連携」して取り組むと決めた
のは、党首合意だとの認識を重ねて示した。
泉氏は24日、記者団に「あいさつ回り」だったなどと発言し、方針を正式に決めるための党首会談ではなかったと説明
していた。
泉氏と志位氏は23日に会談し、次期衆院選の連携を申し合わせた。志位氏は会見で「党首と党首が会談したのだから党首
会談だ」と強調。「泉氏から『与党の議席の最小化のため、次の総選挙で連携、力合せをしたい』との提起があり、私から
も『賛成だ』と話した。まさに合意だ」と語った。
(10月26日)
岸田文雄首相の所信表明演説に対する各党の代表質問は26日、衆参計3日間の日程を終えた。「経済、経済、経済」と
繰り返した首相に呼応するかのように、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の主要3野党の党首は、それぞれ「給付」
「改革」「賃上げ」というキーワードを連呼して独自色をアピールした。 代表質問の締めくくりとなった26日の参院
本会議。各党の議員は、「給付」「改革」「賃上げ」の重要性をそれぞれ力説し、政権に対する攻勢を強めた。
立民の古賀之士氏は、企業倒産件数が増えたデータを挙げながら「即効性のある給付も検討、実行すべきだ」と訴え、維新
の浅田均氏は「政府は改革の本丸から目をそらし、制度維持、微修正という態度を続けている」と断じた。
国民民主の大塚耕平代表代行は「インフレ率よりも高い賃上げ率を持続的に実現するための方策として、具体的にどのよう
なことを考えているのか」と首相に迫った。3日間の代表質問では、各党の党首らが、第2次岸田再改造内閣発足後初めて
首相との対決に臨んだ。
立民の泉健太代表は、党の経済対策に掲げた「インフレ手当」の意義を訴え、「給付、給付、給付」と強調。維新の馬場
伸幸代表は「改革、改革、改革、改革」と連呼し、「経済」と「給付」を標榜した首相と泉氏に「どちらもバラマキに
偏っている」と矛先を向けた。
国民民主の玉木雄一郎代表は「賃上げ、賃上げ、賃上げ」と三唱した。経済対策に照準を合わせ政権とは異なる機軸を
打ち出した3党だが、攻め手を欠いている感は否めない。
首相の答弁は具体性が乏しく、かみ合った論戦にはならなかった。立民中堅は「首相のペースに引きずり込まれている」と
ぼやく。与野党攻防の舞台は27日に衆院予算委員会へ移る。
(10月27日)
岸田文雄首相と全閣僚が出席する予算委員会が27日、衆院で始まった。野党第一党の立憲民主党は、エース級の論客で
ある長妻昭政調会長や後藤祐一国対副委員長らを投入し、経済対策などに照準を合わせ政権への攻勢を強めた。ただ、首相
は踏み込んだ答弁を避けた「安全運転」に徹し、かみ合った論戦にはならなかった。
「自民党内にも伝わらなかったら、国民に伝わるわけないじゃないですか!」 長妻氏は質問の冒頭、自民党の世耕弘成
参院幹事長が25日の参院本会議で首相の「言葉の弱さ」に苦言を呈したことに触れた上で、こう挑発した。
しかし、その後の質疑で首相がペースを崩すことはなかった。 長妻氏が、正規労働者と非正規労働者の待遇格差是正を
目指す「同一価値労働同一賃金」の法制化検討を求めると、首相は「問題意識を持ちながら公正な待遇が受けられる労働
市場をしっかり考えていきたい」と受け流した。
事実上の「ゼロ回答」を受けた長妻氏は「これだけ大切な問題、原稿棒読みですか」と不満を口走るほかなかった。話題の
転換を試みた長妻氏は「増税メガネという言葉は気になりますか」。
首相から「いろいろな呼び方はあるものだなと思っている」との返答を得ると、さすがに掘り下げようがない答弁だと感じ
たのか、「まぁ、私もメガネなんでね」と矛を収めた。一方、後藤氏は「景気対策、経済対策を検討するのが遅すぎでは
ないか」と首相に迫った。 しかし、首相は「経済対策は昨年来、順次行ってきた」と強調した上で「さまざまな対策を
重層的に講じることによってさまざまな立場の方々に支援を行っていく」とかわした。
後藤氏はさらに、所得税減税を考えついた時期を詰めようとしたが、首相は正面から答えず言質を与えなかった。
首相の答弁の背景には、内閣支持率の低迷を念頭に、失点は極力抑えたいという思惑も透ける。立民閣僚経験者は「のらり
くらりの『岸田流』に飲み込まれている」と苦笑いした。
(10月28日)
■給付、給付、給付
立憲民主党・泉健太代表
首相は「経済、経済、経済」と言ったが、結局、国民に何を届けるのか分からない。国民が望むのは、今年中のインフレ
手当の「給付、給付、給付」ではないか。わが党は緊急経済対策として、中間層の現役世代を含めた全体の6割の世帯に、
3万円のインフレ手当の給付を求める。
(24日の衆院本会議、岸田文雄首相の所信表明演説に対する代表質問で)
■約束を果たすには
日本維新の会・馬場伸幸代表
首相は来年9月までの自民党総裁任期中の憲法改正実現を目指すと公言している。タイムリミットはあと1年。国民投票の
実施には国会発議後60日から180日必要であることを踏まえれば、総理が約束を果たすには、来年の通常国会終盤まで
に発議しなければならない。「総裁任期中に憲法改正を果たせなかったら次期総裁選への再選出馬はしない」と退路を
断ち、改憲に立ち向かう覚悟はあるか。
(25日の衆院本会議、岸田文雄首相の所信表明演説に対する代表質問で)
■はっきり言ったらええのに
日本維新の会・藤田文武幹事長
どっちみち(共産党との連携を)やるのだから、はっきり言ったらええのに、というのが僕のスタンスだ。それはそれで
彼らは合理的だと思っているのだろうから、正々堂々とやればいい。何も恥じることはないのではないか。
(26日の記者会見、次期衆院選に向けた共産党との連携の可否に関する立憲民主党の態度について)
■この臨時国会が勝負
国民民主党・玉木雄一郎代表
国民民主党は、日本維新の会、(衆院会派の)有志の会とともに、国会機能の維持を目的とした緊急事態条項の憲法改正
条文案をとりまとめた。首相が今の(自民党総裁)任期中に憲法改正を実現するのであれば、この臨時国会が勝負だ。臨時
国会で憲法改正条文案をとりまとめ、来年の通常国会で発議しないと間に合わない。
(25日の衆院本会議、岸田文雄首相の所信表明演説に対する代表質問で)
■消費税率を5%に
共産党・志位和夫委員長
所得税減税は所得の少ない人への恩恵がない上、長期の実質賃金減少のもとでの時限的措置では、焼け石に水だ。「減税」
と言いながら、なぜ消費税減税だけはタブーにするのか。物価高騰は食料品を中心にあらゆる品目に及んでいる。富裕層
と大企業に応分の負担を求め、消費税は廃止を目指し緊急に5%に減税すべきだ。
(25日の衆院本会議、岸田文雄首相の所信表明演説に対する代表質問で)
(10月29日)
立憲民主党の長妻昭政調会長は29日のNHK番組で、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済のための財産
保全策を巡り、法テラス強化や外為法改正では「腰が引けている」と批判した。同じ番組に出席した自民党の萩生田光一
政調会長は過去に教団側と接点があったとして「最も教団と関係の深い議員の一人だ」と指摘した。
萩生田氏は「一方的なレッテル貼りは非常に心外だ」と反論。教団関連団体との接点は説明済みだと訴えた。
(10月30日)
立憲民主党の安住淳国対委員長は30日、所得税減税などを柱とする政府の経済対策について「人気取りに減税を使って
いる。政権の命取りになる」と批判した。報道各社の世論調査で低迷する内閣支持率に触れ「国民の信頼を失っている内閣
だ」と強調した。国会内で記者団の取材に答えた。衆院議員任期4年の折り返しを踏まえ、衆院解散・総選挙が取り沙汰
されていることに関しては「さほどの大義がなければ、ひどい目に遭うのは政権側だ」と指摘。次期衆院選では野党候補の
一本化が重要だとして、他党に「丁寧に声かけをする」と語った。
(10月31日)
次期衆院選に向けた立憲民主党と共産党との「連携」を巡り、解釈の違いが表面化している。共産は共通政策の策定を期待
するが、立民は言質を与えていない。共産との見解の相違を強調する場面も目立ち、足並みがそろうのかが焦点となる。
「具体的な内容については今、特にお話しすることはない」。立民の岡田克也幹事長は31日の記者会見で、共産との連携
に政策協定の締結が含まれるのかという問いに対し、こう述べるにとどめた。
立民の泉健太代表と共産の志位和夫委員長は10月23日、国会内で会談した。 志位氏は同25日の会見で、泉氏から
与党議席を最小化させるための連携を提起されたと説明。「私どもも賛成だという話をした。まさに『合意』だ。共通項で
力を合わせるのが野党共闘だ。太いところで共通する政策を確認できればと考えている」と述べた。
しかし、泉氏は同27日の会見で、「『締結』『合意』と呼ぶか呼ばないかは、各党それぞれの考え方で言っている部分も
あるのではないか」と指摘。「われわれの方針は『野党議席の最大化』だ。『与党議席の最小化』という言葉は使って
いない」などと共産側とのズレを強調した。
立民の支持団体で、共産と距離を置く連合の清水秀行事務局長は同日、「連携」は政策協定締結や党関連の集会に出席する
ことを意味すると記者団に説明。「泉氏はその意味で『連携』と言っていない」と問題視しない考えを示した。
一方、共産関係者は政策についても話し合うべきだと主張し、「何も決めずに候補者調整を行うのは談合だ」と立民側を
牽制する。共産と基本政策が異なる日本維新の会や国民民主党を加えた連携が望み薄な中、立共両党を軸に野党共闘の土台
が築かれるのかが注目される。
