【2023年】

(2月1日)
衆院予算委員会が1日開かれ、各党からの2巡目となる基本的質疑が行われた。西村康稔経産相は児童手当の所得制限撤廃
を巡り、立憲民主党の大西健介氏への答弁で「より厳しい対象者への上乗せを優先すべきだ」と反意を明言した。
花形委員会に若手を起用して岸田文雄首相らを攻めた同党の戦術が自民内の不一致をあぶりだした形で、与党からは
「1巡目のようにNHKテレビの生中継がなくて良かった」(自民幹部)との本音が漏れた。
大西氏は旧民主党政権が公約として支給を進めた所得制限なしの「子ども手当」政策を巡り、当時野党だた自民の国会答弁
を列挙。永岡桂子文部科学相の「単なるばらまき」、西村経産相の「何で高額所得者までに支給するのか」など委員席に
座る閣僚のかつての発言をパネルで示し、「政策転換にあたってどう釈明するのか」とただした。
永岡氏は「内閣の一員として政府与党の方針に従う」と答弁したが、西村氏は「今の所得制限は年1200万円以上で、
受け取っていない人は1割程度と記憶する」と前置きした上で「より厳しい人に上乗せ措置をすべきだ。その思いは今も
持っている」などと明言した。閣僚が野党の質問に突然カミングアウトしたことで委員会室はどよめき、「与党内にも
さまざま議論があることがはっきりした。総理もしっかり調整を」との大西氏の促しに首相は厳しい表情を浮かべた。

(2月2日)
立憲民主党は2日、旧民主党が2012年に野党に転落して以降の自公政権の施策を検証する「失われた10年政策検証プロ
ジェクトチーム(PT)」の初会合を国会内で開いた。「旧民主党政権の政策は実は先端を行っていたことを証明する」
(安住淳国対委員長)ことが狙いで、この日は省庁へのヒアリングを行った。
ただ、党内からは「自己満足に終わるのでは」などと、早くも議論の行方を懸念する声が上がっている。
◇「旧民主政権の名誉回復」
PTは、自民党が旧民主党政権時代に所得制限のない「子ども手当」に反対したにもかかわらず、今国会で一転して児童
手当の所得制限撤廃を主張したことを受け、急きょ設置した。2日の会合には、衆参の予算委員会の委員を務める議員らが
参加し、児童手当などに関する「10年間」の状況を省庁の担当者から聞き取った。立憲としては春の統一地方選を前に、
PTを通じて政権追及を強めたい考えだ。党幹部は、自民の茂木敏充幹事長が子ども手当を巡る過去の自民の主張を「反省
する」と述べたことを引き合いに「第2、第3の『反省』を引き出したい」と意気込む。
一方、短命に終わった旧民主党政権の「名誉回復」の色合いもにじむ試みに、党内には「安倍晋三元首相に『悪夢の民主党
政権』と連呼された悔しさを晴らしたいだけなのではないか」(若手議員)などと冷めた見方もある。政権時を知る元議員
は「恥の上塗りになるだけだ。そもそも党は変わったはずだ」と切り捨てた。
立憲の安住氏は、1日の党会合で「反転攻勢のときだ。私たちのやってきたことは決して間違いでなかったということを各
委員会で証明していきたい」と息巻いた。PTは今後、少子化対策▽選択的夫婦別姓制度・LGBT(性的少数者)▽農家の
戸別所得補償制度▽地方分権▽社会保障▽原発・エネルギー政策――の6分野で検証を進める予定だ。

(2月3日)
立憲民主党と日本維新の会の国会対策委員長らが3日、国会内で会談し、正当な理由なく国会を欠席する議員に対し、その
間の歳費(給与)の支払いを停止できる立法措置を検討する方針で一致した。
NHK党のガーシー(本名・東谷義和)参院議員が海外に滞在したまま国会を欠席し続けていることを念頭にしたもので、
早期実現を目指す。国会議員には国会への出欠席に関わらず、月額129万4千円の歳費が支払われている。ガーシー氏は
昨夏の参院選比例区で初当選したが、1度も国会に出席していない。立憲の安住淳国対委員長は記者団に「正当な理由なく
登院しない議員の歳費をストップすることは、国民が求めているのでは」と述べた。
また両党は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題をめぐり、宗教法人に対する解散命令請求時に、その法人の財産
を保全することができるようにする特別措置法案を開会中の通常国会に提出する方針もあわせて確認した。
立憲は、同趣旨の宗教法人法改正案の提出に向けた準備を進めていたが、特措法で対応する方が早いと判断した。

(2月4日)
立憲民主党の石川大我参院議員は4日、岸田文雄首相の荒井勝喜秘書官が3日夜、LGBTなど性的少数者や同性婚のあり方に
ついて「隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」と発言した問題について、自身のツイッターに「我慢の限界だ。これまで
最大の抗議の準備をしよう」とつづった。 石川氏は同性愛者であることを公表している。
石川氏はまた、荒井氏が「同性婚を導入したら国を捨てる人もいる。首相秘書官室全員に聞いても同じことを言っていた」
とも発言したとされることを引用し、「荒井秘書官、首相秘書官室全員の懲戒免職を求める」ともつづった。荒井氏は発言
の後、「首相に申し訳ない。私個人の意見で迷惑をかけた」と、謝罪の意を示しているが、「こんな謝罪で許される訳が
ない。週明けからの最大限の抗議活動を考えている。予算委員会もある。岸田総理に最大限近づける立場を活かし、異次元
の抗議を行う」ともつづり、週明けに大規模な抗議活動を行う方針を示した。

(2月5日)
岸田政権が昨年暮れに打ち出した「原発の最大限活用」方針が、今国会の主要論点の一つだ。東京電力福島第1原発事故
以来のエネルギー政策を大きく変更するものだが、岸田文雄首相は「政策転換」を認めず、はぐらかす答弁が目立つ。
野党の追及も迫力を欠き、疑問解消に程遠い。
「原発政策の大転換はどうしてか。説明がほとんどない」。立憲民主党の岡田克也幹事長が1月30日の衆院予算委員会で
こうただすと、首相は「大転換と言うが、方針は変わらない」と言い放った。政府は昨年12月に「GX(グリーントランス
フォーメーション)」基本方針を決定し、原発回帰の姿勢を鮮明にした。(1)次世代原発を開発・建設する(2)既存原発の
60年超の運転を認める―ことが柱。事故以来、原発の新増設や建て替えは「想定しない」としてきた歴代政権の立場を
覆した。
それでも転換を認めない首相は、2021年10月に閣議決定した第6次エネルギー基本計画に「原子力は持続的に活用」と
記されていることを理由に挙げる。新方針は従来の見解と整合するとの立場だ。原発活用の目的として、首相は「ロシアの
ウクライナ侵略で世界的なエネルギー危機が生じている」と説明したが、岡田氏は納得しなかった。「原発建設は5~10年
の話ではなく、時間軸が違う」と反発した。
立民は原発に頼らず、再生可能エネルギーを主力化するよう主張。首相は「再エネ最優先」を掲げつつも、「わが国は山と
深い海に囲まれ、再エネ適地が限られる」と反論する。安全確保の議論もかみ合わない。岡田氏は民主党政権時代に発生
した東電事故に関し「本当に苦しい思いをした」と指摘し、「例えば水素爆発、メルトダウンが起こらないための対策は
どう講じるのか。核は暴走すれば止める術がない」とただした。首相は「専門家会合で1年間にわたり100回以上、安全
対策の議論を積み重ねた」と理解を求めた。
北朝鮮のミサイル発射を念頭に、岡田氏は原発に着弾すれば「日本の国土の何割かが失われるかもしれない」と危機感を
訴えた。だが、首相は「だからこそ、防衛力を抜本的に強化しなければならない」と議論をすり替えた。
もっとも、論戦が深まらないのは正面から答えない首相の姿勢だけが原因ではない。防衛政策や少子化対策に比べ、立民
が予算委で原発問題を取り上げる時間は短い。政府に一定の理解を示す日本維新の会との足並みの乱れを気にしていること
や、立民内で原発活用に賛否両論があることが背景とみられる。
政権から距離を置く自民党の閣僚経験者は「国会を無気力が覆っている。首相も野党も責任放棄だ」と嘆いた。

(2月6日)
立憲民主党の小沢一郎衆院議員は6日、横路孝弘元衆院議長の訃報を受けて、SNSに追悼のコメントを発表した。
横路氏とは、旧民主党に所属した間柄だった小沢氏は「横路孝弘先生とは、民由合併前後、安全保障政策について議論
させていただいたことが印象深いです。私が元々自民党出身、横路先生が社会党出身という、かなり遠い立ち位置にいた
中、徹底的に議論を深め、最終的に国連中心主義の安全保障政策として合意できました」と、振り返った。 また「政策面
では整然とした緻密な議論を展開される一方、常に弱い立場の方々を支えようと必死になっておられた情に厚い偉大な
政治家でありました」と人柄を振り返り「心からご冥福をお祈り申し上げます」と記した。

(2月7日)
立憲民主党は7日、国会内で憲法調査会の会合を開き、予算委員会の審議を優先すべきとの過去の慣例を踏まえ、今国会
では衆参両院の予算委の目途がつくまでは憲法審査会の開催に応じない方針を確認した。中川正春調査会長は「憲法だけ
突出して予算委中に議論をする理由はない」と述べた。 中川氏は、自民党などが立民に対し、憲法審の開催に応じない
ことへの説明を求めている8日の幹事懇談会に参加しない考えも示した。最近の憲法審は予算審議と同時並行で行われて
いたが、中川氏は「党内の『予算委に集中していくべきだ』という考えを尊重した」と説明した。
調査会ではこのほか、憲法改正手続きにからむ国民投票法改正や性的少数者と憲法の関わり、政府が閣議決定した「安保
3文書」に基づく「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の合憲性などの議論も深めるとした。

(2月8日)
自民、公明、日本維新の会、国民民主の4党などは8日、衆院憲法審査会の運営を巡って国会内で会談した。幹事懇談会の
開催を予定していたが、立憲民主党と共産党が欠席したため、急きょ非公式の「意見交換会」に変更になった。
昨年の通常国会では9年ぶりに衆院で予算審議中に憲法審を開催したが、今国会では審議入りの見通しが立たなくなって
いる。立憲の中川正春・野党筆頭幹事は国会内で記者団に、2023年度予算案審議中の審査会開催を前提とした幹事懇談会
には出席しない方針を説明。「予算委が一段落してから、(憲法審を)やるべきだ」と強調した。
立憲は昨年、憲法審の早期開催に応じたが、党内から「予算委に集中すべきなのに、なぜ憲法審だけ特別扱いするのか」と
の批判が相次いだという。中川氏は「そういう考えを尊重し、元の正常な形に戻すことにした。これまでが異常だった」と
語った。
一方、自民の新藤義孝・与党筆頭幹事は記者団に「立憲は幹事懇すら開催に応じない。今までと180度違う見解になって
しまった」と憤った。ただ、決裂を避けたい思惑もあり、中川氏と協議を続けた上で、来週改めて幹事懇開催を提案する
考えを示した。日本維新の会の馬場伸幸代表は8日の党会合で「(立憲は)またサボり癖が出てきている。これからの立憲
との協調関係に暗雲が垂れこめてくる」と述べた。国民民主の玉木雄一郎代表はツイッターに「明日の審査会が開かれない
見通しとなった。先祖返りだ」と投稿した。

(2月9日)
LGBTなど性的少数者に対する理解増進法案を巡る与野党調整は、「差別は許されない」とした文言の扱いが焦点だ。
修正を模索する自民党に対し、立憲民主党は9日、「認められない」とけん制した。
LGBT法案は国民の理解促進に向け、国に基本計画を義務付ける内容で、超党派の議員連盟が2021年にまとめた。ただ、
「差別は許されない」との文言に自民党の保守派が反対し、提出に至らなかった。性的少数者に対する前首相秘書官の差別
発言を受け、岸田文雄首相は法案成立に前向きな意向を表明。自民党の萩生田光一政調会長は8日、記者団に「どういう
文言なら皆さんが理解できるかを含め、調整していきたい」と、修正に意欲を示した。
これに対し、立民の長妻昭政調会長は9日の記者会見で「差別という文言を入れると、社会の分断を呼ぶとの意見もある
が、全く逆だ」とけん制。文言修正は「認められるはずがない」と強調した。
公明党の北側一雄中央幹事会長も会見で、「不当な差別があってはならないというのは当然の話だ。どういう表現にするか
は別として、法案の一番の肝のところだ」と指摘した。

(2月10日)
立憲民主党の泉健太代表は10日の記者会見で、今国会で「共闘」する日本維新の会について「どうしてもすぐ自民党の
誘いに乗ってしまう感じがする。政権与党から譲歩を引き出す場で重みや慎重さが大事で、すぐ与党の誘いに乗ってしまう
のでは野党としては戦えない」と述べた。
両党を巡っては、8日に予定していた衆院憲法審査会の幹事懇談会を立憲などが欠席したことについて、維新の馬場伸幸
代表が「またサボり癖が出てきている。これからの立憲との協調関係に暗雲が垂れこめてくる」と語り、立憲の対応を批判
していた。会見で泉氏は「自民党は政権与党で数も多く、一筋縄ではいかない勢力だ」と指摘。
2022年の臨時国会で行った世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の被害者救済法案を巡る両党と与党側との交渉を例に
挙げ、「早々に交渉の場から『はいここで妥結』と降りてしまうのか、それともさらにもう一段与党と交渉するのかで獲得
できるものは変わってくる」と語った。その上で泉氏は、競馬を引き合いに出し「良馬場ではただ単に与党が走りやすい
だけだから、やっぱり馬場さんは『重馬場』であってもらいたいと思う」と述べた。

(2月11日)
前首相秘書官の差別発言を受けて今国会の焦点に浮上した性的少数者(LGBTなど)への理解増進法案を巡り、与野党の
駆け引きが激化してきた。
自民党は保守派の理解を得るため、超党派の議員連盟がまとめた法案にある「差別は許されない」との文言の修正を模索。
立憲民主党は受け入れられないと反発する。保守派が修正要求のハードルを上げる可能性もあり、法案の行方は予断を
許さない。「妥協に妥協を重ね、ようやく理解増進法案ができた。今の法案にも満足していないのに、さらに趣旨を弱め
ようという動きを許せるわけがない」。立憲民主党の泉健太代表は10日の記者会見で、法案修正の動きをけん制した。
法案は性の多様性に関する国民の理解促進に向けて政府に基本計画策定を義務付けることが柱だ。自民党案をベースに
超党派議連が2021年5月にまとめたが、野党の要求で加えられた「差別は許されない」との文言に自民党保守派が「訴訟
乱発を招く」と反発。党内での激論の末、最終的に「執行部預かり」となり、了承が見送られた。
法案は長くたなざらしの状態だったが、ここにきて機運が高まったのは、自民党内で「今国会で成立させなければ差別発言
への批判が党に向かう」(閣僚経験者)との声が強まったためだ。旗振り役の稲田朋美元防衛相は7日、東京都内で記者団
に「交渉の余地はある」と述べ、修正に応じる考えを表明。世耕弘成参院幹事長は10日の記者会見で「党内で議論して
コンセンサスを得られればいい」と述べ、執行部として合意形成を後押しする考えを示した。公明党の山口那津男代表も
同日、「文言には柔軟に対応していい」と記者団に語った。
これに対し、立民は「議連の合意通り成立させるのが筋だ」(関係者)と修正の動きに冷ややかだ。党内には修正を容認
する声も一部にあるが、衆院補欠選挙や統一地方選を控え、「意見集約できない自民党」(幹部)を印象付けた方が得策
との計算が働いているようだ。
保守派が「差別」文言の修正で首を縦に振るかも不透明だ。「『差別はあってはならない』と修正すれば賛同できる」との
意見の一方、「ゼロベースで法案を作り直したい」との声も漏れる。  仮に理解増進法案の成立にこぎ着けても、自民党
はさらなる法整備の要求に直面しそうだ。立民の長妻昭政調会長は9日の会見で「理解増進法案は入り口にすぎない。本丸
は差別解消法案だ」と強調。泉氏は10日、性的少数者の人権団体に同性婚の法制化を目指す考えを伝えた。
与党の山口氏も同日、記者団に「差別を禁止する仕組みに最終的には至るべきだ」と語った。

(2月12日)
「同性婚が実現すれば当事者が幸せになり、社会も良くなる」。LGBTなど性的少数者に対する元首相秘書官の差別発言に
東京・永田町のある当事者は憤りとともに、使命を果たそうと自らを奮い立たせた。立憲民主党の石川大我参院議員。
ゲイを公表し当選した初の国会議員として知られ、性差別解消を訴えている。西日本新聞のインタビューに見解を語った。
-発言をどう捉えたか。
「(同性婚を巡り)『見るのも嫌だ』との発言の根底にはホモフォビア(同性愛嫌悪)がある。同性愛などへ偏見を持ち、
嫌悪の対象にする人に使う言葉だ。過去にも国会議員ら公職者の差別発言はあったが、今回は政治の中枢の人物だっただけ
に多くの当事者を傷つけた。特に若い世代には当事者だと周囲に言えず思い悩む人も多い。孤立した人を追い込む発言
だった」「『同性婚導入となると、国を捨てる人は結構いる』とも述べた。理解ができない。逆に、同性婚制度がないこと
で、泣く泣く日本を出た人は少なくない。現実を知らないのだろう」
-岸田文雄首相は、同性婚制度に関し「家族観や価値観、社会が変わってしまう」と国会で答弁した。
「変わってしまうという表現には本音では、変わってほしくない、という後ろ向きな感情がうかがえる。同性婚が実現
すれば当事者の人生を幸せにするし、当事者以外には今まで通りの生活が続くだけだ。社会が良くなることはあるが悪い
方向に向かうことはない」
-世論とのずれがある。
「札幌地裁は、同性婚を認めないのは法の下の平等に反し、違憲と判断した。昨年の共同通信の世論調査では、7割超が
同性婚を『認める方がよい』と回答した。首相は自民党保守派ばかりに気を使うのではなく、こうした国民の声に向き合う
べきだ」
-批判を受け、自民はLGBT理解増進法案の国会提出に向けて動き出した。
「理解増進法はあくまで理念法だ。努力義務ばかりで実効性に乏しい。これまで同性愛などを告白した後に、職場や学校で
不当な扱いを受ける事例があった。やはり差別を禁止する法律が必要だ」
-2019年の初当選前から大学、企業での講演や著書などさまざまな場で差別解消へ声を上げている。
「5月には日本が議長国の先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)が開催される。日本以外は同性婚やパートナーシップを
国レベルで制度化している。欧米はLGBTを人権問題と捉えており、今のままでは日本は人権後進国とみなされ続ける。
生まれ持った性的指向や性自認で自分らしく生きられないのはつらい。そうした人が安心して暮らせるようにするのが政治
の役目だ」

(2月13日)
立憲民主党の野田佳彦元首相は13日、東京都内で講演し、4月の統一地方選について「岸田政権はノーだと意思表示をする
戦略でいきたい」と述べ、政権への対決姿勢を強める考えを示した。
統一選の直前に日銀総裁が交代することに関し、「『(有権者が国民生活に)あまり効果がないかもしれない』と思い
始めた4月の選挙がどうなるか。野党にとっては政権にノーと言えるチャンスになる」と語った。

(2月14日)
立憲民主党は14日、統一地方選前半戦(4月9日投開票)に実施される北海道知事選で、新人で同党元衆院議員の池田真紀
氏(50)、島根県知事選で再選を目指す現職の丸山達也氏(52)の推薦を決めた。
同日投開票の札幌市長選では、3選を目指す現職の秋元克広氏(67)の推薦を決定した。

(2月15日)
岸田文雄首相は15日、衆院予算委員会で同性婚を巡って「社会が変わってしまう」などと国会答弁(1日)したことに
ついて立憲民主党の西村智奈美氏からネガティブ発言として撤回を求められた。
岸田氏は「ネガティブに受け取られたとしたら、これは反省しなければいけない」とした上で「社会が変わってしまうから
議論が大事だと申し上げた」となどと、繰り返し反論した。 西村氏は「社会が、という言葉を使ってポジティブな動詞を
つけると、おかしな文章になる」とし、「社会が豊かになってしまう。社会が発展してしまう」と例文を示した。
そして「ネガティブな動詞をつけると、しっくり来る。社会が混乱してしまう。社会がすさんでしまう」とした上で
「『社会が』を主語に、~してしまうという言葉を使って何かポジティブな例文を作っていただけませんか?」と
突っ込んだ。 野党席から爆笑が起こり、与党席から「揚げ足だ」とヤジが飛ぶ中で岸田氏は「ネガティブか、ポジティブ
かは別として、変わってしまうという、この結果をもたらすから、議論を深めることが大事だという形で、そういう表現を
することはあり得る」と自らの解釈を披露した。そして「決して否定的でもなければ、肯定的でもない」と、文法・文章
講座のような論戦を締めくくった。
西村氏は「総理に撤回する最後のチャンスをここに出したが、撤回されなかった。本当に残念です…」と嘆息した。
また選択的夫婦別姓制度を巡って西村氏から賛否を問われた岸田氏は「私自身は反対と言うことは1度も申し上げたことは
ありません。価値観や心にかかわる問題であるから議論が必要だと申し上げて来ている」と答弁し、西村氏から「反対と
言ったことはない、と初めて答弁いただきました」と評価?を受けた。

(2月16日)
衆院憲法審査会は16日の幹事懇談会で、3月2日に審査会を開き、自由討議を行うことを決めた。立憲民主党は2023年度
予算案の審議中の開催を拒否していたが、予算案の月内の衆院通過のめどが立ったと判断して、来月からの開催を受け
入れた。昨年の通常国会では9年ぶりに、衆院で予算案の審議中に審査会を開催した。だが、立憲では党内で批判が
相次ぎ、予算審議中の開催には応じない方針に再び転換。8日に予定されていた幹事懇も欠席した。このため、自民、
公明、日本維新の会、国民民主の4党が反発していた。
16日の幹事懇で、自民の新藤義孝・与党筆頭幹事が立憲の方針転換について「誠に残念だ」と述べ、維新の馬場伸幸代表
は「迷惑をかけている認識があるのか」と立憲を批判した。これに対し、立憲の中川正春・野党筆頭幹事は「予算審議に
集中することで論点も見えてくる」などと反論した。
憲法審の議題については、自公など4党が、昨年の臨時国会で論点整理を行った緊急事態条項などの議論再開を求めたが、
立憲は憲法改正の国民投票に関するCM規制や同性婚の議論を優先するよう主張。与野党の筆頭幹事が引き続き協議する。

(2月17日)
立憲民主党の泉代表は17日の記者会見で、日本維新の会の馬場代表の名前をもじって「重馬場であってほしい」などと
発言したことについて、「説明も謝罪もない」と語った。
重馬場とは競馬で走りにくい地面の状態を指す用語で、泉氏は「悪口ではない。与党が走りにくい(状況を作る)のは大事
なことだ」と釈明した。
泉氏の姿勢に対し、維新幹部は「どうしようもない。コメントする必要すらない」と不快感を示した。

(2月18日)
2023年度予算案は月内に衆院を通過する公算が大きくなった。
採決の前提となる中央公聴会を16日に終え、審議時間が採決の目安となる70時間台に達しつつあるためだ。立憲民主党が
共闘する日本維新の会に配慮し、日程闘争を封印していることが「順調な審議」(自民党幹部)の背景にある。
「衆院の予算審議が大詰めを迎えている。衆院からの予算案送付に備え、国対を中心に万全の態勢を取りたい」。自民党の
世耕弘成参院幹事長は17日の記者会見で、年度内成立に全力を挙げる考えを示した。予算案は1月30日の衆院予算委員会
で実質審議入り。中央公聴会の開催は過去10年で昨年(15日)に次ぎ2番目に早く、審議時間も17日時点で66時間まで
積み上がった。予算案は憲法の規定で参院送付から30日で自然成立するため、月内に衆院で可決されれば年度内の成立が
確定する。
週明けの20、21両日に分科会、22日には集中審議が予定される。与党は27日に4回目の集中審議を行った上で、28日に
衆院を通過させる日程を軸に調整しており、立民も抵抗しない構えだ。立民が審議拒否を控えるのは、国会共闘を進める
維新が遅延戦術を嫌っていることが大きい。立民が8日の衆院憲法審査会の幹事懇談会を欠席した際、維新は「審議を拒否
するなら協調は全部ご破算」(藤田文武幹事長)とけん制し、立民は次の16日の幹事懇に出席せざるを得なかった。
維新の馬場伸幸代表は同日の会見で「立民の目が(審議充実という)本丸に向いたのはわが党との協調路線の産物だ」と
語った。昨秋の臨時国会で閣僚3人の「ドミノ辞任」に苦しんだ首相が、「政治とカネ」の疑惑を抱えた秋葉賢也前復興相
を昨年末に辞任させ、国会の火種をあらかじめ消したことも影響している。
首相は2月に入り、LGBTなど性的少数者を巡る差別発言をした前首相秘書官も間髪入れず更迭。立民はこれに関する政府
の対応を不服として予算委から退席したが、維新に審議復帰を促され、審議拒否はわずか40分間だった。

(2月19日)
立憲民主党の小沢一郎衆院議員は19日、都内で開いた自身が塾長を務める政治塾で講演し、次世代の各界のリーダー、
指導者育成を目的に2001年から開催してきた同政治塾を、今回をもって一時休止することを明かした。
「政治塾の中締めだ。私自身は、できるだけ早く再開したい。一時お休みするということで、ご理解をいただきたい」と
塾生やOBらに呼びかけた。節目の日ということもあり、小沢氏は「新品の背広を着ておめかししてまいりました」と
述べ、会場を沸かせた。講演では、自己主張をすることの大切さや憲法改正、安全保障政策など、これまで長年訴えてきた
信条などについて、1時間以上にわたり話した。
事務局関係者によると、「私塾」の形になったのは2003年から。小沢氏が当時所属していた自由党が民主党と合併して
以降。入塾の審査を前に3000人が応募した時期もあり、これまで、500人以上を、国政をはじめ各界に送り出してきた。
最近はコロナ禍で塾生が集まりにくい状況だったこともあって、今回、20年以上にわたる政治塾の一時休止を決めたと
いう。

(2月20日)
昨年7月の初当選から1度も国会に登院していないNHK党のガーシー(東谷義和氏)参院議員(比例代表)が、早ければ
3月1日にも除名される可能性が高まったことが20日、明らかになった。 この日、自民党の世耕弘成、立憲民主党の田名部
匡代両参院幹事長はガーシー氏に対する懲罰を「議場での陳謝」とする方針で合意し、懲罰委員でもある世耕氏は岸田文雄
首相が出席した自民党役員会でも同方針を報告した。 懲罰には重い順に除名、登院停止、議場での陳謝、戒告があり、
21日の懲罰委員会(鈴木宗男委員長)で陳謝が採決されることが確実視されている。
陳謝となれば、22日予定の参院本会議で出席議員の半数以上の賛成で可決するが、アラブ首長国連邦(UAE)に滞在中の
ガーシー氏は登院する可能性は、ほぼない。ガーシー氏に対する処分は再び懲罰委員会に付託され、陳謝を拒否したと判断
されれば、除名が有力だ。参院議院運営委員の1人は「遅くとも28日までに懲罰委員会で採決され、早ければ3月1日にも
本会議が召集される」と明言した。本会議で出席議員の3分の2以上の賛成でガーシー氏の除名が決定する。

(2月21日)
昨年7月に亡くなった藤井裕久元財務相の追悼講演会が20日夜、横浜市中区で開かれ、ともに酒を好み師弟関係あった
立憲民主党最高顧問の野田佳彦元首相が登壇した。「恩師が一番強くこだわっていたのは平和、そして財政健全化だった」
と振り返り、参加した国会議員や地方議員、市民ら約160人の前で藤井氏の遺志を継ぐ決意を新たにした。
野田氏は、今月24日で丸1年がたつロシアによるウクライナ侵攻に触れ、ロシアのプーチン大統領に終結を迫るためには
「日本がリーダーシップを取り、平和をつくり出していかなければならない」と強調。日本は先進7カ国(G7)議長国で
国連安保理の非常任理事国である立場を生かし、世界各国が足並みをそろえた対ロシア経済制裁を行う必要性を訴えた。

(2月22日)
22日の衆院予算委員会で、立憲民主党の泉健太代表が岸田文雄首相の後ろに座っていた首相秘書官に怒りの矛先を向ける
一幕があった。質問を笑うようなそぶりを見せたとして「ひどい」と訴えた。首相は、秘書官が笑ったかどうかの確認を
避け身内をかばった。立民側は納得していない。
首相は、性的少数者への差別発言で元首相秘書官を更迭したばかり。泉氏が秘書官への憤りをあらわにしたのは午前の審議
で、同性婚や防衛政策を包括的に取り上げ、首相を追及していた。泉氏は「同性婚の話をしたら(秘書官が)首を横に振り
始めた」とも指摘。「本当にあきれる」と批判した。

(2月23日)
4月9日投開票の北海道知事選で、共産党道委員会と社民党道連合は23日、立候補を表明している立憲民主党元衆院議員
で、新顔の池田真紀氏(50)を支持すると発表した。池田氏には立憲が推薦、国民民主党道連が支持を決めている。
4年前の前回と同じく、自民、公明両党が推薦する現職の鈴木直道氏(41)に対し、野党が共闘する構図が固まった。
共産道委は22日に開いた常任委員会で、社民道連合は23日の機関会議で決めた。立憲、共産、社民各党の道内組織幹部は
22日、野党共闘を支援する市民団体「戦争をさせない市民の風・北海道」と札幌市内で協議。池田氏の公約に「立憲主義
を取り戻す」「防衛費拡大よりも、命と暮らしの社会保障費拡充を目指す」を盛り込むことで一致したという。
ただ、前回2019年の知事選では元衆院議員の石川知裕氏を立憲、国民、共産、社民が推薦したが、今回は立憲以外の3党
は一段低い支持とした。野党関係者によると、国政で立憲と国民民主の溝が深まっており、野党共闘の機運が後退している
ことなどが影響したという。知事選にはこのほか、自営業の門別芳夫氏(61)も立候補を表明している。

(2月24日)
木原誠二官房副長官が21日のBS日テレ番組で、岸田文雄首相が掲げる子供予算の倍増について「子供が増えれば子供
予算は増えていく。出生率がV字回復すれば早いタイミングで倍増が実現する」と述べたことに対し、野党幹部が24日、
一斉に批判を強めた。 立憲民主党の泉健太代表は記者会見で「施策を倍増させるのではなく、子供が増えたら額が倍に
なるという、恐ろしく見識のない発言だ」と指摘。「首相は自身で倍増と言ったが、何を何に倍増し、いつから倍増する
のかは(国会で)答えられなかった。中身が全くないからこそ発言もあっちに行ったり、こっちに行ったりという状態が
官邸で相次いでいる」と批判した。
立民の安住淳国対委員長も「あの認識で政府の中枢にいたのでは子供政策は全く期待できない」と記者団に語った。
国民民主党の榛葉賀津也幹事長は記者会見で「耳を疑うような発言だ」と批判した。「予算をどう駆使して育児をしやすく
し、人口減少に歯止めをかけるかという議論なのに、財務官僚のようなことを言われるとがっかりする」と皮肉った。
木原氏は元財務官僚。

(2月25日)
立憲民主党の岡田克也幹事長は25日、衆院千葉5区補欠選挙(4月23日投開票)を巡り、野党候補者の一本化に向けた各党
との調整について「交渉と言える状況にない。(交渉入りの感触は)現時点ではない」と述べた。
千葉県浦安市で記者団の質問に答えた。岡田氏は「有権者に『有力な人に集約してください』と直接お願いしていかなけ
ればならない」と述べ、調整へ努力する考えも示した。同補選には自民党、立民、日本維新の会、国民民主、共産の各党が
候補擁立を決めている。

(2月26日)
立憲民主党千葉県連は26日、千葉市中央区で大会と総決起集会を開き、4月に行われる衆院千葉5区(市川市の一部と
浦安市)補欠選挙や統一地方選に向けて結束を確認した。
総決起集会には長妻昭党政調会長や野田佳彦元首相をはじめとした国会議員や地方議員、党員ら約200人が参加。
集会の冒頭では、来賓として招かれた千葉市の神谷俊一市長や連合千葉の永富博之会長らがあいさつした。補選をめぐって
は、立民に加えて日本維新の会、共産、国民民主の各党も独自候補の擁立を決め、野党間で候補者一本化のめどは立って
いない。終了後の記者会見で、奥野総一郎県連代表は「(一本化は)最後の最後まで呼び掛ける。国民民主が予算に反対
したのは一つ良かった」と話した。
総決起集会に先立つ県連大会は非公開で行われ、議員ら約100人が参加。規約の見直しなどについて話し合った。現在の
立民は令和2年に誕生したが、コロナ禍により、対面での県連大会は初めてとなる。

(2月27日)
岸田首相が検討しているウクライナ訪問を巡り、立憲民主党の安住国対委員長は27日、「国会が足かせになるようなこと
はするべきでない」と述べ、会期中の首相や閣僚の海外訪問の際に慣例となっている国会への事前承認を求めない考えを
示した。岸田首相は5月の広島サミットまでにウクライナのゼレンスキー大統領と対面での首脳会談を行うことに意欲を
示していて、首都のキーウ訪問についても検討している。
一方、国会の開会中に首相や閣僚が海外に渡航する場合は、事前に国会の承認を得ることが慣例となっていて、ウクライナ
訪問にあたっては、安全確保や秘密保持が課題とみられていた。
安住氏は27日、記者団の取材に対し、「国会が足かせになるようなことはすべきではない」と述べ、事前承認を求めない
考えを示した。その上で、「帰ってきた時には報告してもらうということを、ちゃんとやればいいと思う」と述べ、国会に
対して事後報告の形をとることが条件との認識を示した。

(2月28日)
立憲民主党は28日の党政治改革推進本部で、正当な理由がないのに国会に登院しない議員の歳費を4割カットする歳費法
改正案の骨子を決めた。欠席に対し国会から懲罰を科せられれば、議員の給与に当たる歳費の一部を不支給とする。
NHK党のガーシー参院議員に歳費が支払われている実態を踏まえ、法整備を目指す。近く日本維新の会と国会に共同提出
する。
ガーシー氏は昨年夏の参院選で当選後、一度も登院していない。歳費は月額129万4千円が支給され、2月22日に「議場
での陳謝」を科す懲罰が決まった後も支給を制限する仕組みはない。